目次
- ボーナスの支給がない会社は約3割
- ボーナスの平均支給額は?
- 正社員なのにボーナスなしは違法?
- ボーナスなし・減額の事前告知はあるか?
- ボーナスが出ない会社の特徴・理由
- ボーナスがない会社で働くメリット
- ボーナスがない会社で働くデメリット
- ボーナスが出ない会社は辞めるべき?
- ボーナスに関するよくある質問
- まとめ
その他のお役立ちじょう
「入社後にボーナスがないことに気づいた」「これまで支給されていたボーナスが急になくなった」など、ボーナスがないことや減額されたことに不安を抱えている人もいるでしょう。
ボーナスを支払うことは、法律上、会社の義務ではありません。しかし、支払わないと場合によっては違法になることもあります。
本記事では、ボーナスなしの会社の割合や賞与がない理由について解説します。また、ボーナスなしの会社のメリット・デメリットを挙げながら、会社を辞めるべきなのかどうかも考えていきます。
ボーナスの支給がない会社は約3割
ボーナスの支給がない会社は約3割、事業規模の大きい会社の場合は約1割となっています。
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等」によれば、令和5年に年末賞与を支給した事業所の割合は69.0%となりました。また、同調査の「令和6年9月分結果速報等」では、令和6年に夏季賞与を支給した事業所の割合は5人以上の事業所で73.0%、30人以上の事業所で89.9%でした。
事業所の大きさに関わらず、ほとんどの会社ではボーナスの支給があることがわかります。会社の規模が大きいほうが、支給する割合も高いです。
参考元:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等」、厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等」
ボーナスの不支給・減額が違法になるケース
就業規則でボーナスについて規定している場合や、正当な理由がない場合は違法になる可能性があります。具体的に見ていきましょう。
就業規則の規定でボーナスが決まっている場合
法律や規則でボーナス支給のルールが定められている場合は、その通りに行わないと違法になります。例えば、公務員のボーナスは法律や条例に基づき、毎年支給が義務付けられています。
民間企業であっても、就業規則において「〇月〇日に賞与を支給する」といった規定がある場合は、この基準に則りボーナスを支給しなければ違法にあたります。例えば、業績が悪くなったからといって、社員の許可なく不支給・減額することは許されません。
しかし、会社としても経営不振などに応じて減額できるようにしておきたいものです。そのため、就業規則には以下のように記載されていることがほとんどです。
会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由により、支給時期を延期し、又は支給しないことがある。
賞与の額は、会社の業績及び労働者の勤務成績などを考慮して各人ごとに決定する。
このような規定があり状況が当てはまる場合は、ボーナスの不支給・減額があったとしても違法になりません。
一部引用:厚生労働省「モデル就業規則」
正当な理由がない場合
個別に労働者のボーナスを減給する場合は、正当な理由が必要です。例えば、個人的な感情は、減給する理由になりません。他の労働者と公平さが保たれていることや、社会通念上相当で認められるような理由でなければなりません。
ボーナスは、労働者の成果に対する報酬や今後の期待などを考慮して支払われます。そのため、退職予定や転職活動中であっても、それを理由に支給しないことは違法にあたります。ただし、就業規則に減額に関する文言がある場合は、違法になりません。
ボーナスなし・減額の事前告知はあるか?
ボーナスの支給義務がないのと同じで、ボーナスがないことやボーナスの減額を事前告知する義務もありません。つまり、事前告知なしは法律違反ではありません。
しかし労働者からすれば、事前告知もなくボーナスがなくなることは、フェアではないといえます。会社にボーナスカットや減額の説明を求めるのも一つの方法です。雇用契約書を確認し、理由が不当であると判断されれば、違法に当たる可能性があります。
ボーナスが出ない会社の特徴・理由
ボーナスなしの会社は全体の3割程度です。ボーナスの出ない会社の特徴や理由について解説します。
業績の低迷、悪化で支給されなくなった
業績が低迷している会社は、会社を運営するだけで手いっぱいになってしまい、ボーナスを支払えるだけの利益がありません。
コロナ禍のように外部の要因で一時的に業績が悪化している場合は、その年のボーナスがカットされ、翌年から再開される可能性があります。しかし、経営状態が著しく悪い場合はボーナスを支払えない状態が続くでしょう。
労働組合がなく会社と交渉できない
労働組合がない会社では、ボーナスが支給されてないことが多いです。労働組合とは「労働者が団結して、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るためにつくる団体」(労働組合 |厚生労働省)のことです。会社に労働組合があると、労働者がボーナスの交渉をしやすくなります。
労働者の意見を組み入れる仕組みを持たない会社は、ボーナスに関する意見を吸収しにくく、従業員のボーナスが軽視されやすくなります。
起業して間もない・事業規模が小さい
起業して間もない会社や事業規模の小さい会社も、経営基盤が安定していないため、ボーナスが支給されない傾向があります。
特に経営初期は、会社の利益を運転資金に回す必要があるため、従業員のボーナスが優先されないケースが多いです。業績が安定していけば、ボーナスとして還元される可能性もあります。
基本給が高く設定されている、年俸制を採用している
基本給が高く設定されている会社や、年俸制を採用している会社は、月給にボーナスが含まれている可能性があります。年俸制は、給与が年間報酬として固定されており、個人のパフォーマンスや会社の利益状況により変動しないことがメリットです。
給与を確認するときは、月給とボーナスをすべて含めた年収で見ると良いでしょう。
ボーナスがない会社で働くメリット
ボーナスなしの会社は、一見ネガティブな印象を受けますが、いくつかのメリットがあります。
基本給が高い
ボーナスがない会社の中には、代わりに基本給が高く設定されているところもあります。ボーナスの有無だけで判断せずに年収ベースで見ることも大切です。基本給が高ければ、ボーナスがある会社と収入が変わらない可能性があります。
基本給が高いメリットは、家計管理がしやすいことです。毎月の収入が安定しているため、住宅ローンなどの固定費の支払いや貯蓄に便利です。
年収が業績に左右されにくい
ボーナスは会社の業績に応じて支給額が変動するため、年度によっては支給されないケースもあります。しかし、年俸や基本給にボーナスが含まれている場合は、業績が悪化しても減給になるリスクが少ないことがメリットです。
求人票に記載されている想定年収は、ボーナスを含めた金額になっているケースが多いため、ボーナスが支給される会社では減額されることがあることも考慮しておきましょう。
自分のタイミングで転職しやすい
ボーナスが支給される会社では、転職するタイミングをボーナス後に合わせる人もいます。この場合、転職時期が限られてしまう上に、「ボーナスをもらってすぐに辞めると給料泥棒と思われないか」などの心配も出てきます。
一方で、ボーナスがなければ自分の好きなタイミングで転職することが可能です。理想の求人募集があったら、すぐに応募できます。
ボーナスがない会社で働くデメリット
次は、ボーナスがない会社で働くデメリットについて見ていきましょう。
モチベーションが上がりにくい場合がある
ボーナスは、業績や個人の評価に対して支給されるため、従業員のモチベーションを高める役割もあります。また、まとまった金額が一度に入るため、評価に関係なくボーナス自体が仕事を続ける原動力になる社員も少なくありません。
しかし、ボーナスがなければ成果を出しても収入に大きな変化がありません。また他の会社はボーナスがあるのに自社はない、といったことからモチベーションが上がりにくい場合があります。
一度にまとまった貯蓄がしにくい
ボーナスはまとまった収入となるため、車や住宅を購入する際の頭金など、大きな買い物をする動機になります。大きな買い物ができたことでモチベーションが上がり、経済の循環にも貢献できるでしょう。
一方で、ボーナスがないと一度にまとまった貯蓄ができないため、大きな買い物をするには毎月コツコツ貯める計画性がなければなりません。
ボーナスが出ない会社は辞めるべき?
ボーナスが出ないことを理由に会社を辞めるのは、賢明とはいえません。ボーナスがない会社でも基本給が高かったり、スキルアップや成長が見込める環境であったりするため、十分にメリット・デメリットを考慮してから判断したほうが良いでしょう。
転職する前に確認したい5つのポイント
転職で後悔しないためにも、転職する前に5つのポイントを確認しましょう。
企業の業績は安定しているか?
勤務先の企業が安定した業績を維持していることが重要なポイントです。ボーナスは業績が不安定になると支給されないこともあるため、ボーナスがなくても毎月一定水準の収入が得られることが大切です。決済報告や競合他社と比較するなどして、安定性があるか調べましょう。
貢献したいと思える会社か?
会社の方針や理念に共感し、貢献したいと思えるかも大切なポイントです。ボーナスがなくてもやりがいや満足感のある仕事は、その人にとって価値があるということです。お金、働きやすさ、仕事内容など、自分にとっての仕事の優先順位を明確にしておきましょう。
年収とスキル、仕事の成果が見合っているか?
会社から提示される年収やスキル、期待される成果が、自分のスキルや経験と見合っているか確かめましょう。自分がこれまで積み重ねた実績に対して、提示される年収が低ければ、モチベーションを保ちながら働けません。逆に自分の保有しているスキル以上の成果を求められると、プレッシャーになってしまいます。そのため、自分の保有している知識やスキルがどのくらいかを見定めることが大切です。
自分の市場価値を知るには、転職エージェントを活用しましょう。転職市場に精通しているアドバイザーが、あなたの市場価値を的確に判断します。
業界・職種の平均年収と比べてどうか?
業界・職種の平均年収と比べて、現在の職場の年収が高いか低いかを把握することも大切なポイントです。ボーナスを含めた年単位で比べ、妥当性を判断しましょう。
業界や職種によって給与水準は異なります。平均年収を確かめるには、ロバート・ハーフの年収ガイドがおすすめです。年収はもちろん、採用市場の見通しや各業界の最新動向なども確認できます。
年収を上げるためにできること
年収を上げるためには、いくつかの方法があります。給与交渉や転職など、3つの方法を見ていきましょう。
現職で給与交渉する
現職で年収を上げるには、会社に給与交渉する方法があります。自分の貢献度や業績が明確である場合、上司に直接アピールすることで給料が上がる可能性があります。交渉するときは年度末や人事考課面談など、タイミングが大切です。スキルや給与の目安は、ロバート・ハーフの年収ガイドで確認し、交渉前に自分の市場価値と合っているか見ておきましょう。
現職でスキルアップ・個人評価アップを目指す
スキルアップして評価を上げることで、年収を上げられます。スキルアップを目指すには、資格を取得したり、新しいプロジェクトに参加したりするのがおすすめです。専門性を高めれば、年収を上げるだけでなく、転職時にも有利に働きます。上司と個人目標を設定したり、評価基準について相談したりするのもおすすめです。
転職を検討する
現在の職場で昇格が難しい場合や、自分のスキルが十分に評価されていない場合は、転職を検討してみましょう。新しい環境に挑戦することで、年収を上げられる可能性があります。自分の年収が上がりそうな会社か見極めるには、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントを利用すれば、自分のスキルや経験に合った会社を紹介してくれます。年収アップを成功させる戦略ガイドも紹介していますので、ぜひ以下の記事も参考にしてください。
関連記事:年収を上げたい人必見!年収アップを成功させる戦略ガイド | ロバート・ハーフ
ボーナスに関するよくある質問
ボーナスに関するよくある質問をまとめました。
ボーナスが下がる理由は?
ボーナスが下がる理由の一つは、会社の業績の悪化です。業績が悪化すれば、従業員に還元できる資金が減るため、ボーナスが下がってしまいます。また、ボーナスは個人の業績や貢献度でも決まるため、目標が達成できなかったり、会社への貢献度が低かったりすれば下がるでしょう。
その他にも、会社の方針や給与体系の見直し、景気後退や業界全体の不調を理由にボーナスが減額・廃止される場合もあります。
ボーナスは必ず支給されるの?
ボーナスは必ず支給されるわけではありません。多くの企業では「賞与支給規定」に基づいて支給されますが、会社の業績や経営状況によって支給額が変動する場合があります。
また、雇用契約や就業規則に「ボーナスの支給は会社の判断による」と記載されている場合、業績が悪化した際には支給されないこともあります。特に、業績連動型のボーナス制度を採用している企業では、個人や会社の成績によって大きく変わることがあります。
さらに、試用期間中の従業員や契約社員、パート・アルバイトなど、雇用形態によってはボーナスの対象外となる場合もあるため、雇用契約を確認することが大切です。
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ボーナスなしの会社の割合や、ボーナスなしの会社のメリットとデメリットなどについて解説しました。ボーナスがないからといって、危ない会社とは限りません。仕事にやりがいを感じていたり、基本給にボーナスが含まれていたりする場合は、辞めないほうが良いでしょう。
もし自分の実績が正当に評価されず、現在の給与に満足していない場合は、転職を検討しましょう。「ロバート・ハーフ」は、外資系・日系グローバル企業への転職を支援しています。IT関連など専門性の高い仕事をお探しなら、ぜひご利用ください。